妊娠から出産までの過ごし方 | 赤ちゃんの成長と過ごし方 |
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保育施設は慎重に選ぼう
子どもが生まれた後も仕事を続ける予定なら、子どもの保育をどうするか、妊娠中から夫婦でよく話し合っておくことが必要です。保育所への送り迎え、子どもが病気のときなど、夫婦でお互いに仕事を調整し、母親ひとりに負担がかかりすぎないようにすることが大切になります。
保育施設選びは、まず、地域の保育事情を事前によく調べることから始めましょう。担当は市区町村の保育担当課です。公立・私立の認可保育所、認可外保育所のほか、地域によっては自宅の一部を使って子どもを預かる「保育ママ」制度や、相互で育児援助を行う「ファミリー・サポート・センター」もあります。これらの場所や空き状況、対象年齢、保育時間、入所の条件、入所の手続き、保育料など、窓口で十分説明を聞き、相談しましょう。子どもが生まれると出歩けないこともあるので、産前休業に入ったら、一度市区町村の保育担当課を訪ねておくことをおすすめします。時間外保育や延長保育を実施している場合は、その時間帯の保育体制がどうなっているかなども、確認しておきましょう。
また病気のときや悪天の日の送り迎えの態勢づくりも大切です。こどもの病気は突然やってきます。どちらかがお迎えに行けるのか、ほかの誰かに頼むことができるのか、近所に病児保育を行っている施設がないかなども、妊娠中にリサーチしておくとよいでしょう。自家用車のチャイルドシート、赤ちゃん用の雨具なども、あらかじめ用意しておきましょう。
保育施設は、子どもが生活時間の大半を過ごすところです。その環境や保育内容は、子どもの安全や健康面だけでなく、健全な発達にも影響を与えることがあります。厚生労働省がよい保育施設の選び方を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
①まずは情報収集を
市区町村の保育担当課で、情報の収集や相談をしましょう。
②事前に見学を
決める前に必ず施設を見学しましょう。
③見た目だけで決めないで
キャッチフレーズ、建物の外観や壁紙がきれい、保育料が安いなど、見た目だけで決めるのはやめましょう。
④部屋の中まで入って見て
見学のときは、必ず、子どもたちがいる保育室の中まで入らせてもらいましょう。
⑤子どもたちの様子を見て
子どもたちの表情がいきいきしているか、見てみましょう。
⑥保育する人の様子を見て
保育する人の数が十分か、保育士の資格をもつ人がいるか聞きましょう。笑顔で子どもたちに接しているか、経験が豊かな人もいるか、見てみましょう。
⑦施設の様子を見て
赤ちゃんの眠る環境や部屋のスペース、衛生、日当たり、遊び道具のほか、外遊びをしているかなど確認しましょう。避難口や避難階段も確認しましょう。
⑧保育の方針を聞いて
園長や保育する人から、保育の考え方、給食、連絡帳や参観の機会などについても聞いてみましょう。
⑨預け始めてからもチェックを
預け始めてからも、折にふれて、保育のしかたやこどもの様子を見てみましょう。
⑩不満や疑問は率直に
不満や疑問があったら、すぐ相談してみましょう。誠実に対応してくれるでしょうか。
おなかの赤ちゃんも、寝たり起きたりしています。それは赤ちゃんの眼球の運動によってわかるようになりました。
30週ころになると、眼球が動いている時間と動いていない時間がはっきりするようになります。これは睡眠と覚醒のリズムができてきたことをあらわす変化です。そして、同じ状態が持続する時間がだんだん長くなり、その状態が変わるときに、目をパチパチさせたり、口をくちゅくちゅ動かしたりという赤ちゃんの動きがあらわれることもわかってきました。
生まれたばかりの赤ちゃんは、ノンレム睡眠のときにかぎって口をくちゅくちゅ動かしますが、それと同じような動きが、妊娠35週ころの赤ちゃんにはあらわれてくるのです。新生児と同じような睡眠のリズムができつつあるということです。
出産後は赤ちゃんから目が離せず、お母さんが美容院に行く時間も思うようにとれなくなります。今のうちにヘアカットを済ませ、手入れしやすい長さにしておくとよいでしょう。ただし、あまり長い時間ヘアサロンのいすに座っていると疲れてしまいます。担当の美容院さんに、短時間に手早く済ませてもらうようにお願いしましょう。
ロングヘアのほうが手入れしやすいという人は、入院用品としてヘアゴムを忘れずに持っていきましょう。
骨盤底筋が衰えたりゆるんだりすると、子宮や膣が下がって性器脱になります。その程度によって、子宮が膣の中に下がるのが「子宮下垂」、膣の出口(膣口)から子宮の一部または全部が脱出するものを「子宮脱」といい、膣壁が下垂した子宮を包むようにして反転して膣口から脱出します。
産後にこうした症状が出ても、からだが回復すれば骨盤底の筋力も回復して、下垂・脱は軽快します。
子宮脱は、もともと骨盤底筋の力が弱い人に多く、すなわち極端なやせ、肥満、便秘、トイレに行くのをがまんする生活習慣、運動不足などは要注意です。加えて、妊娠中の極端な体重増加、巨大児や羊水過多、多児出産、難産などでも骨盤底の筋力は衰えやすく、子宮下垂・脱だけでなく、尿失禁もひどくなります。まれに、妊娠中から子宮下垂になる人もいます。
予防には、妊娠前から適切な体重コントロールをし、生活習慣を改善して便秘を予防し、トイレをがまんしないこと、歩いたり脚(股)を開閉する運動が効果的です。妊娠中も同様ですが、すわった姿勢のままでいると妊娠子宮の重量が骨盤底筋をゆるませることにつながります。疲れたときは横になって休むこと、寝転がったときの姿勢でできる骨盤底筋を鍛える運動などを心がけましょう。
多胎妊娠の場合、妊娠8ヶ月(30~31週)には単胎妊娠の10ヶ月(36~39週)と変わらない子宮の大きさになっていますので、子宮口がゆるみやすくなり、破水しやすくなります。ふたごの赤ちゃんの体重の合計が4kgを超えると陣痛も起こりやすくなります。子宮や赤ちゃんの状態によっては、この頃から管理入院を勧められることもあります。
お産のはじまりのサインは単胎妊娠も多胎妊娠の場合も基本的には変わりません。いつ出産がはじまっても落ち着いていられるように、今から確認しておきましょう。